聞いたことはあるものの、実際詳しくは知らない「十日恵比寿」
実際のところ、「十日恵比寿って何?」と言う方向けに今回は紹介します。
福岡の十日恵比寿とは
福岡市博多区にある十日恵比寿神社を指します。
毎年1月の10日前後に開催される「正月大祭」が有名で、福岡県民にとって、この正月大祭に行くことをみんな「十日恵比寿に行く」「十日恵比寿」と呼んでいます。
自営業の方から会社員の方まで、商売に関わっている人が商売繁盛を祈願しにここ十日恵比寿神社へ出向きます。
古くから漁師の神、幸運の神として有名な神社で、「漁業繁栄」「商売繁盛」だけでなく家内安全や交通安全のご利益もあるといわれています。
大半の方は商売繁盛のご利益を頂く目的が多いです。
※南福岡十日恵比寿神社とはまた別ものですのでご注意ください。
十日恵比寿神社の由来
そのそも、十日恵比寿神社は
「香椎宮社家の武内平十郎(後隠居して五右衛門と称す)が博多に分家し、神屋と号して商売を営んだ。
此の者天正十九年(一五九一年)正月三日、年始に当り香椎なる父の家に至り、香椎宮、筥崎宮への参詣の帰途、浜辺潮先に於て、
恵比須大神の尊像を拾い上げたる地に御社を建て氏の神と家運大いに栄えたと云う」とあります。また、「明治参拾参年旧正月記録ヨリ写取者也」と添え書きのある武内文書「十日恵比須神社記録写」には「香椎から箱崎に参拝途中の潮先で、恵比須二対を拾い上げて、持ち帰って奉斎した」「毎年正月十日恵比須ととなえて、自身でお供えして拾い上げたところで御神酒をささげた。
これが知られて次第に参拝する人が多くなって繁昌した」という意味のことが書かれています。
当時、社は崇福寺境内にあったようですが、博多に分家した香椎宮ゆかりの武内家の一族が、最初は自宅に祀り、のち千代の松原に一社を建立したのが始まりらしいとのことです。
十日恵比寿の見どころや行事(正月大祭の時)
十日恵比寿神社の行事の中で最も人気な正月大祭では、毎年以下の様な行事が開催されています。
- 開運講座
- 福引
- 徒歩参り
- えびす銭
- 出店
十日恵比寿の開運講座
十日恵比寿の開運講座とは、新春の開運を願う儀式で正月大祭のうち、9日の午前10時から翌10日の0時まで行われています。
この開運講座には各界の知名士や崇敬者(移住区域に関係なく何らかの信仰的契機によって継続的にその神社を崇敬する人)を招いています。
※一般の方も申し込み可能です。
十日恵比寿の福引きとそこ中身(景品)
その年の運を試す意味を込められた福引きですが、十日恵比寿神社では福引を引くと世話人の方が「大当たり〜」と言ってくれます。
境内に響くこの声を聴くと「十日恵比寿に来たなぁ」としみじみ感じる名物のひとつです。
ハズレはなく、福引を引いた方も全員に福笹と以下の縁起物のいずれかが当たります。
- 張子の福起こし
- 福寄せ
- 干支
- 金蔵
- そろばん など
一回2000円で福引きができます。
十日恵比寿の徒歩参り
十日恵比寿の徒歩参りは、新春の華を開くかち詣りが正月9日の宵えびすの午後に行われます。
博多券番のきれいどころ(芸妓)総勢で島田のビンに稲穂のカンザシ、紋付正装、裾ひき姿でかち詣りののぼりを先頭に、博多那能津会の三味、笛、太鼓で十日えびすの唄をはやしながら東公園入口より行列、徒歩にて神社に参拝し、1年中の開運、商売繁昌の祈願をします。
十日恵比寿のえびす銭
昔、新築にあたり棟上の日に金銀の箔を押した銭、もしくは新鋳の銭を撒ずる式があり、これを上棟銭と呼んでいました。
また、江戸時代には将軍の若君の誕生や元服などの際に祝儀として黄金の銭、銀の銭が鋳造されたと言われています。
これらが、神社や仏閣にも用いられる様になったようです。
この銭を授かった方が不思議と開運に恵まれたことから縁起の良いものとされました。
十日恵比寿神社では、古くからこの種銭を恵比寿神社から貸し出すので「えびす銭」と称し、商いの「元金(種銭)」として縁起の良いお金を神社からお借りして商売の元手としたそうです。
翌年に繁昌したお礼として倍にして返し、また新しい年の繁昌を願ってお借りすることを繰り返していました。
このことから現在ではえびす銭を借りて翌年に返すといった風習が残っています。
お借りしたえびす銭は、お守りの様に財布に入れておくとお金が入ってくるといった願いも叶うとか、、、、。
昔のように、翌年の参拝時にえびす銭を返しましょう。
十日恵比寿神社で購入できるもの
十日恵比寿神社では、おみくじやお守りをはじめ以下の様なものが購入できます。
- おみくじ
- お守り(商売繁盛、家内安全など)
- 福笹
- 福お越し
- 福うちわなどの縁起物
- お札
- 御朱印帳 など
十日恵比寿神社 大祭の開催日程
十日恵比寿神社では、年間でいくつかの祭りが開催されています。
正月大祭の日程
毎年1月の8日から11日が正月大祭の開催期間となります。
秋季大祭の日程
毎年10月の9日、10日の2日間
朔日祭の日程
毎月1日(参列自由)
月次祭の日程
毎月10日(参列自由)
昇殿参拝の日程
毎月1日と10日(参拝自由)
最大の行事は正月大祭、次いで秋季大祭となり、毎月の行事と昇殿参拝の日程は重なっていますので、通常月に行く場合は1日、10日が良いですね。
十日恵比寿神社の場所と行き方(アクセス)
十日恵比寿神社は福岡市博多区東公園にあります。
地下鉄貝塚線の箱崎九大前駅、もしくはJR吉塚駅が最寄駅です。
吉塚駅西口からの方が近いので、便利です。
また、近くにコインパーキングが点在していますが、時間帯によっては混雑している場合もあります。
十日恵比寿神社に行くおすすめ時間帯(正月大祭の時)
十日恵比寿の正月大祭が開催される期間中は結構混雑しています。
特に1月10日は参拝する方で行列になっています。
ちなみに私の場合、10日の昼間に行って、参拝するまで約1時間半ほどかかりました。
特に10日でなくとも、という方はそれ以外の日程をおすすめします。
ちなみに午前中に参拝すると良いとされていますのでそれを避けるか、夜遅い時間帯だと比較的少ない待ち時間で参拝できると思いますよ。
福岡の商売繁盛祈願としておすすめの十日恵比寿神社
三社参りとは別に参る方も多い十日恵比寿神社。
私の場合、会社員時代には「行かなきゃなぁ」と思いながらもたまにしか行っていませんでしたが、独立後は毎年必ず参っています。
もちろん、お守りやえびす銭も必ず購入、翌年に返しています。
独立からおかげさまでこうして楽しく生きていけるのも、この十日恵比寿神社のお陰かもしれません。
是非行ってみてください。